8bit世代(1983–1987) / NECホームエレクトロニクス/ハドソン
PCエンジンPC Engine
8bit CPUで同時241色。そして家庭用ゲーム機として初めてCD-ROMをソフト媒体に採用した機体でもある。
撮影:Evan-Amos / 出典:Wikimedia Commons / パブリックドメイン
基本情報
| 発売日 | 1987年10月30日 |
|---|---|
| 発売元 | NECホームエレクトロニクス/ハドソン |
| 型番 | PI-TG001 |
| 発売時価格 | 24,800円 |
| ソフト媒体 | HuCARD/CD-ROM²(1988年〜) |
| 同時発色数 | 512色中 同時241色 |
| 出荷台数 | 国内 約392万台/全世界 約1,000万台(推計) |
全世界値は推計。国内値は流通統計に基づく一般的な引用値。
システム構成
図1 PCエンジン のシステム構成。当資料室で作成。
主要諸元
| CPU | HuC6280(65C02カスタム)7.16MHz |
|---|---|
| 映像 | HuC6270(VDC)+ HuC6260(VCE) |
| 発色数 | 512色中 同時241色(背景16パレット×15色+スプライト16パレット×15色) |
| 解像度 | 256×239/336×239/512×242 の切り替え |
| スプライト | 64個/水平方向 16個まで |
| 音源 | 波形メモリ音源 6ch(2chはノイズに切り替え可能) |
| メモリ | ワークRAM 8KB/VRAM 64KB |
| 媒体 | HuCARD(最大20Mbit級)/CD-ROM²(1988年〜) |
8bitのまま16bit機に並ぶ
CPUのHuC6280は6502系のコアを7.16MHzで駆動する高速版で、MMU、I/Oポート、そして音源回路までを1チップに統合している。設計にはハドソンが深く関わった。
命令セットは8bitのままだが、動作クロックが同時期のファミコン(1.79MHz)の4倍あり、加えて映像処理をVDC/VCEの2チップに完全に切り出している。CPUは画面を直接描かない。この分業が、8bit CPUを積みながら16bit機に近い表現を可能にした。
同時発色数241色は1987年の家庭用機として突出している。翌年発売のメガドライブが同時64色であることを考えると、この数字の異常さがわかる。
HuCARDという媒体
ソフト媒体には厚さ2.5mmのカード型ROM「HuCARD」を採用した。ピン数を絞りカード形状に収めたことで、本体を140mm角という当時としては極端に小さい筐体に収められている。
一方でHuCARDにはバッテリーバックアップを載せられない。セーブ機能は後の「天の声2」(バックアップ用の外付けユニット)や、CD-ROM²システム側のバックアップRAMに依存することになった。ロールプレイングゲームがCD-ROM²側に集まった理由のひとつである。
CD-ROM²
1988年12月、周辺機器「CD-ROM²」を57,300円(インターフェースユニット+CD-ROMドライブのセット)で発売。家庭用ゲーム機がCD-ROMをソフト媒体に採用した最初の例である。
容量約540MBはHuCARDの200倍以上にあたる。これによって音声(CD-DA)、長尺のビジュアルシーン、そして声優の演技を含むソフトが一般化した。以降1994年までの家庭用ゲーム機は、この「CDで何を載せるか」という問いにそれぞれ答えを出していくことになる。
1991年にSUPER CD-ROM²(システムカード3.0/バッファRAMを256KBへ拡張)、1994年にアーケードカード(同2MB)と段階的に強化された。
派生モデル・周辺機器
- 1988年12月
- CD-ROM²(57,300円)― 家庭用機初のCD-ROM採用
- 1989年12月
- PCエンジン コアグラフィックス(24,800円)― 映像出力をコンポジット化
- 1991年9月
- PCエンジンDuo(59,800円)― CD-ROM²一体型
- 1994年3月
- アーケードカードDUO/PRO ― バッファRAMを2MBへ拡張
参考にした資料
- HuC6280 / HuC6270 データシート
- NECホームエレクトロニクス 製品カタログ(1987–1994)
画像出典
- 「NEC PCエンジン本体とパッド」 撮影:Evan-Amos / 出典:Wikimedia Commons / ライセンス:パブリックドメイン
システム構成図および各種グラフは当資料室で作成したものです。
最終更新:2025-03-09