家庭用ゲーム機 技術資料室

Console Hardware Archiveest. 2024

16bit世代(1988–1990) / セガ・エンタープライゼス

メガドライブMega Drive

本体に「16-BIT」と刻印された国内初の16bit機。同時発色64色という数字の不利を、シャドウ/ハイライトと職人芸で埋めにいった機体でもある。

セガ メガドライブ本体とパッド
メガドライブ(セガ・エンタープライゼス/1988年10月29日)
撮影:Evan-Amos / 出典:Wikimedia Commons / パブリックドメイン

基本情報

発売日1988年10月29日
発売元セガ・エンタープライゼス
型番HAA-2510
発売時価格21,000円
ソフト媒体ROMカートリッジ
同時発色数512色中 同時64色
出荷台数国内 約358万台/全世界 約3,075万台

セガ公表値に基づく一般的な引用値。

システム構成

媒体 / MEDIA ROMカートリッジ 最大40Mbit級 拡張バス(メガCD/32X) CPU MC68000 7.67MHz / 16bit アーケード基板と同系 サブプロセッサ Zilog Z80A 3.58MHz 音源制御/互換モード SYSTEM BUS 映像 / VIDEO セガカスタム YM7101 320×224 / 512色中64色 スプライト80個(水平20個) メモリ / MEMORY ワークRAM 64KB VRAM 64KB サウンドRAM 8KB 音源 / SOUND YM2612 FM 6ch SN76489 PSG 4ch 1chはPCM切替可 入出力 / I-O パッド端子×2 拡張端子(メガCD等) EXT端子(モデム) FIG. Mega Drive — SYSTEM DIAGRAM

図1 メガドライブ のシステム構成。当資料室で作成。

主要諸元

CPUモトローラ MC68000 7.67MHz
サブCPUZilog Z80A 3.58MHz(音源制御/マークIII互換モード)
映像セガカスタムVDP(YM7101)/解像度 320×224・256×224
発色数512色中 同時64色(4パレット×16色)
スプライト80個/水平方向 20個まで
音源ヤマハ YM2612(FM 6ch)+ TI SN76489(PSG 4ch)
メモリワークRAM 64KB/VRAM 64KB/サウンドRAM 8KB
媒体ROMカートリッジ(最大40Mbit級)

アーケードのCPUを家庭に持ち込む

CPUにMC68000を採用。当時のセガのアーケード基板(システム16など)と同系列であり、業務用の開発資産をそのまま家庭用へ持ち込む狙いが明確にあった。実際、初期のラインナップは『スペースハリアーII』『獣王記』『ゴールデンアックス』といったアーケード発のタイトルで占められている。

サブCPUのZ80Aは音源制御を担当するが、もうひとつ役割がある。別売のメガアダプタを装着すると、このZ80Aがメインとして働きセガ・マークIII用ソフトが動作する。旧世代のソフト資産を切らない構成である。

64色の制約とシャドウ/ハイライト

同時発色数は64色。前年発売のPCエンジンが241色であることを考えると、16bit機としては見劣りする数字である。

VDPにはこれを補うシャドウ/ハイライト機能がある。特定の条件下で描画面の輝度を半分または1.5倍にするもので、パレットを消費せずに明暗を作れる。透過表現や夜間シーンの多くはこの機能に依存している。

さらに画面のインターレース/ドット間引きと、ブラウン管の滲みを前提とした疑似中間色(隣接ドットの交互配置)が多用された。メガドライブのグラフィックスを液晶で表示すると縞模様が見えるのはこのためで、当時の見え方とは異なる。

北米での逆転

国内出荷は約358万台にとどまる一方、全世界では約3,075万台。販売の大半を北米と欧州が占める。

1991年、北米で『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』を本体同梱にして展開。同時期のスーパーファミコン(SNES)との競争において、Genesisは一時的に北米市場のシェアで上回った。日本国内での評価と海外での成績が大きく乖離した点は、セガ・マークIIIと共通する構図である。

拡張路線

1991年12月、メガCD(49,800円)を発売。CD-ROMドライブに加えて68000をもう1基と拡張RAMを持ち、拡大縮小・回転機能を追加する。本体側と合わせて68000が2基、Z80が1基という構成になる。

1994年12月、スーパー32X(16,800円)を発売。SH-2を2基積むアダプタで、カートリッジスロットに装着する。メガドライブ+メガCD+32Xを重ねると、CPUは合計6基。拡張で寿命を延ばす方針が行き着いた形といえる。

派生モデル・周辺機器

1991年12月
メガCD(49,800円)― CD-ROMドライブ+68000追加+拡大縮小回転
1993年4月
メガドライブ2(12,800円)― 小型化・低価格化
1994年4月
スーパー32X(16,800円)― SH-2を2基積むアダプタ
1994年
セガチャンネル(北米)― ケーブルTV経由のソフト配信

参考にした資料

  • セガ ハードウェア年表
  • YM2612 アプリケーションマニュアル(ヤマハ)

画像出典

  • 「セガ メガドライブ本体とパッド」 撮影:Evan-Amos / 出典:Wikimedia Commons / ライセンス:パブリックドメイン

システム構成図および各種グラフは当資料室で作成したものです。

最終更新:2025-04-06