16bit世代(1988–1990) / 任天堂
ゲームボーイGame Boy
白黒4階調、バックライトなし、単3電池4本で約35時間。性能で負けたまま市場を取った携帯機。
撮影:Evan-Amos / 出典:Wikimedia Commons / パブリックドメイン
基本情報
| 発売日 | 1989年4月21日 |
|---|---|
| 発売元 | 任天堂 |
| 型番 | DMG-01 |
| 発売時価格 | 12,500円 |
| ソフト媒体 | ROMカートリッジ |
| 同時発色数 | 4階調モノクロ |
| 出荷台数 | 全世界 1億1,869万台(ゲームボーイ/ポケット/カラー合計) |
任天堂公表値。ゲームボーイカラーを含む合計値。
システム構成
図1 ゲームボーイ のシステム構成。当資料室で作成。
主要諸元
| CPU | シャープ LR35902(Z80/8080派生の独自コア)4.194304MHz |
|---|---|
| 表示 | 反射型STN液晶 160×144ドット/4階調モノクロ |
| 音源 | 矩形波×2、波形メモリ×1、ノイズ×1/ステレオ出力(ヘッドホン時) |
| メモリ | ワークRAM 8KB/VRAM 8KB |
| 媒体 | ROMカートリッジ(最大8Mbit級/バッテリーバックアップ対応) |
| 電源 | 単3形乾電池×4/連続約35時間 |
| 通信 | 通信ケーブル端子×1(2〜4台接続) |
| 外形 | 90×148×32mm/約220g(電池含まず) |
捨てたものと残したもの
1989年の携帯ゲーム機市場には、カラー液晶を積んだ競合が存在した。アタリのLynx(1989年)、セガのゲームギア(1990年)はいずれもバックライト付きカラー液晶である。ゲームボーイは白黒4階調、バックライトなし。
その代わりに得たのが駆動時間である。ゲームボーイは単3形4本で約35時間。ゲームギアは単3形6本で約3〜5時間。約7〜10倍の差がある。加えて本体価格が12,500円と、競合の半額前後に収まった。
開発を主導した横井軍平氏の設計思想は「枯れた技術の水平思考」として知られる。最先端でなく、すでに量産され安価になった技術を、別の文脈に置き直して価値を作るという考え方である。ゲームボーイはその最も明快な実例として繰り返し参照されている。
LR35902というCPU
CPUはシャープのLR35902。Z80と8080の中間にあたる独自の命令セットを持ち、Z80の裏レジスタやIX/IYレジスタは存在しない。一方でスタックポインタ相対のロードなど、独自に追加された命令がある。
この設計はライセンスコストと消費電力の両面から説明されることが多い。Z80そのものではなく、必要な機能だけを抜き出した縮小版を作ったという位置づけである。
通信ケーブルの用途が変わった日
通信ケーブル端子は当初、対戦を想定して用意された。『テトリス』の2人対戦がその典型である。
1996年2月発売の『ポケットモンスター 赤・緑』は、この端子を交換に使った。片方のバージョンにしか出現しないモンスターを、ケーブルでつないで交換する。対戦のための機能を「そろえるための機能」に読み替えたことになる。
発売から7年が経過し市場としては終盤に入っていたゲームボーイは、これによって出荷を再び伸ばした。ハードウェアの寿命がソフト側の設計ひとつで延びた例として、しばしば引かれる。
派生モデル・周辺機器
- 1994年11月
- スーパーゲームボーイ(7,000円)― スーパーファミコン用アダプタ
- 1996年7月
- ゲームボーイポケット(6,800円)― 小型化・単4形×2・液晶改良
- 1998年10月
- ゲームボーイカラー(6,800円)― 32,768色中56色同時/CPUクロック倍速モード
参考にした資料
- 任天堂 決算資料「主要ハードウェア・ソフトウェア販売実績」
- ゲームボーイ 取扱説明書(DMG-01)
画像出典
- 「任天堂 ゲームボーイ(DMG-01)」 撮影:Evan-Amos / 出典:Wikimedia Commons / ライセンス:パブリックドメイン
システム構成図および各種グラフは当資料室で作成したものです。
最終更新:2024-11-23